97歳で他界した曽祖母の命日にお墓参りを。
子どもを8人産み、病気や戦争で我が子を3人なくしても、たくましい生き方をひ孫であるわたしに見せてくれた。
晩年は編み物に没頭し、ベストやバッグをつくっては誰かにプレゼントしていた。
彼女の口癖は
「笑顔、笑顔。」。
明治、大正、昭和と、波乱の時代を生き抜いた女性にとって心の特効薬となったのは、精神安定剤などの錠剤ではなかった。
どんなことがあっても『笑顔』でいることが、心の安全場所だったのだろう。
ひと針ひと針、毛糸に通す曽祖母の指先に、底知れぬ力強さを幼な心に感じていた。