絵本の読み聞かせが子どもの脳や情緒、想像力、思考力に大きく影響を与えると謳われて久しい。
息子さんは4歳から、娘さんは2歳ごろから毎晩寝る前に読み聞かせをはじめた。
息子さんのお気に入りはモーリス・センダックの『かいじゅうたちのいるところ』。
娘さんは松谷みよ子さんの『ちいさいモモちゃん・ルウのおうち』。
それぞれ読んで欲しい絵本が違うこともしばしば。
なので、ダンナさんと手分けして毎晩読み聞かせを。
次第に親子で絵本のある暮らしに馴染むように。
親に絵本を読んでもらった温かい記憶は、歳を重ねても残るもの。
「本を読みなさい。」
「勉強しなさい。」
「〇〇くん(ちゃん)に負けてはダメ。」
「〇〇点取ったら、〇〇を買ってあげる。」
強制や脅迫に近い言葉で、子どもたちを操ることは驚くほどたやすい。
だが、勝ち負けの世界にいるといつかは自分が負けるものだ。
ゆくゆくは、おとなになっても勝負して誰かに勝つことしか幸福感を味わえなくなる。
「〇〇だから、自分は凄い。」
のではなく、
「〇〇だけど、自分は凄い。」
と思える人になることがなによりもたいせつだ。
そのために自発的に物事を捉え、工夫し、想像力を働かせる能力をつける。
このことは、読み聞かせの偉大な恩恵のひとつだと今になって確信している。
おまけ。
神戸ファッション美術館で開催された『スイスの絵本展』。
そのときに購入したポストカードたち。
美術館に訪れるとかならず、ダンナさんといっしょにポストカードを選ぶ時間をつくる。
ちょっとした彼との共同作業にこのうえなく幸福感を味わう。