群馬県に住んでいた時代、お世話になった方からいただいたラスク。
ダンナさんの同期であるSさんは、わたしたち家族が大阪へ転勤する際、レストランでお別れパーティーを開いてくれた。
まだ小さかった子どもたちを彼女はとても可愛いがってくれて、プレゼントをそれぞれいただいたりも。
学生時代に良い成績を修めたことや、スポーツの大会で優勝したことなどを思い出しても、なぜか気分が上がらない。
けれども、だれかとたわいもない時間を一緒に過ごしたことは、時が経つに連れ、心に深く刻み込まれる。
それが自分にとって良くない思い出だとしても、いつのまにか「あのことがあって良かった。」と都合良く美化される。
本当の幸せとは、なんでもない日常から生まれて、自分の中で記憶のフィルムを集める作業から感じ取れるもの。